
AIで商品の広告動画って、本当に作れるんですか。

作れました。ただ、最後の商品の場面だけは、AIでは直せなかったんですよね。
AI動画で商品の広告を作ってみたい。でも、何から手をつければいいのか分からない。そんな状態から、私は15秒の商品広告を1本作りました。題材は実在するコーヒーのドリップバッグで、人物は出てきません。かかった時間は、参考にする広告探しから数えて約4時間です。途中で、最後に映る商品の袋がまったく別の物になり、文字も崩れました。この記事では、作り方の流れと、崩れた所を作り直さずに編集で直した話を書いていきます。
- AI動画で商品広告を作ってみたい
- 作り方の流れを先に知りたい
- 失敗した所も含めた記録が見たい
AI動画の商品広告の作り方7工程

AI動画で商品広告を作る方法を調べると、商品の写真を1枚入れれば動画になる、という説明がよく出てきます。多くは動画を作るサービスの会社が書いたもので、手軽さが前に出ています。私の場合は、そこまで一気には進みませんでした。やったことを短く言うと、先に参考の広告を決めて、見本の絵を作ってから動画にする流れです。工程は全部で7つになりました。まずは全体の順番から書いておきますね。
15秒で人物なしの縦長の広告
作ったのは、スマホで見る縦長の15秒の広告です。人は出さず、コーヒーの液体や湯気、カップ、商品の袋だけで見せる形にしました。8つの場面に分けて、画面の文字は縦書きで2回だけ入れています。いつか仕事として動画を作れるようになるための、見本づくりの1本です。
企画から音までの7つの順番
順番は、企画、参考の広告の分解、見本の絵、動画、編集、ナレーション、BGMの7つでした。見本の絵というのは、動画を作るAIに「これに合わせて」と渡す絵のことです。商品の見た目は、販売元のサイトの写真で確かめてから描いてもらいました。販売元には、生成AIの映像で商品を描いてよいかを先に聞いて、よいという回答をもらっています。
道具は工程ごとに使い分け
道具は1つにまとめず、工程ごとに分けました。企画と確認、それに編集は、Claude Code というパソコンの中で作業してくれるAIに頼んでいます。見本の絵は Codex、動画は Higgsfield(ヒッグスフィールド)という動画を作るサービスです。声は VOICEVOX(ボイスボックス)という無料の読み上げソフトで、BGMは Suno(スーノ)という音楽を作るAIで作りました。
- 企画・確認・編集はClaude Code
- 見本の絵はCodex
- 動画はHiggsfield
- 声はVOICEVOX
- BGMはSuno
参考の広告をカットごとに分解

広告の作り方の解説では、まず見る人と伝えたいことを決めよう、とよく書かれています。それも大事なんですが、私が最初に困ったのは「どんな見た目にするか」が決められないことでした。そこで、手本にする広告を1本選んで、場面ごとにばらしてみることにしています。正直に書くと、この作業全体でいちばん苦労したのが、参考にする広告のリサーチと選定でした。決まってしまえば、そのあとは迷う所がぐっと減りました。
いちばん時間を使った参考探し
参考にしたのは、ある缶コーヒーの15秒のテレビCMです。人が出てこない、商品と液体だけで見せる広告でした。自分の画面で録画した動画を Claude Code に渡して、場面の切れ目と秒数を調べてもらっています。音は聞いてもらっておらず、見た目と秒数だけの分解です。
8カットの秒数と文字の出し方
分解してみると、15秒の中に8つの場面がありました。前半は2〜4秒と長めで、真ん中で0.4秒の速い場面が1つだけ入り、最後の商品の場面でまた長くなります。画面の文字は、白くて細い縦書きが2回だけでした。本物の商品が映るのは、最後の約2.4秒だけなんですよね。
- 場面の数と1つずつの秒数
- 映っている物と動き
- 文字の位置と出る回数
- 使っている色の数
まねるのはシズルの見せ方だけ
まねる所は、シズルの見せ方だけに絞りました。シズルというのは、おいしそうに見える液体のつやや湯気のことです。黒い背景に後ろから光を当てて液体を琥珀色に光らせる、スローで見せる、ぐっと寄る、の3つを借りています。参考の広告は冷たい缶コーヒーで氷と冷気が出てくるので、温かいドリップバッグに合わせて湯気に置き換えました。

15秒を1回で作った結果

見本の絵が3枚そろったところで、動画を作りました。絵は、商品の袋、カップに掛けたドリップバッグ、黒い背景と湯気の3枚です。AIの動画は短く区切って作るほうが直しやすい、という話はよく聞きますし、私も前の練習でそう考えていました。それでも今回は、8つの場面を1つのプロンプトに書いて、15秒を1回で作るほうを選んでいます。まずは全体がどう出るかを見たかったからです。
720pで15秒を1回だけ
Higgsfieldでは、Seedance 2.0 というモデルで、縦長、720p、15秒で作りました。クレジットは、955から887に減っています。1回で68クレジットです。練習のときの480p、15秒は45クレジットだったので、画質を上げたぶん約1.5倍かかりました。
予定からずれた場面の長さ
場面の切れ目は、予定とかなりずれました。最初の場面は3.5秒の予定が1.75秒で切り替わり、前半の切れ目はどれも予定より早く来ています。15秒を1回で作ると配分がずれる、というのは練習の1本でも起きたことでした。今回も同じことが起きた、という記録になります。
湯のはずが注がれたコーヒー
湯を注いで粉がふくらむはずの場面では、ポットからコーヒー色の液体がカップに注がれていました。ドリップバッグの淹れ方と食い違っています。液体がしぶきになってほどける場面も、王冠のような形のしぶきに変わっていました。人の手や余計な文字が出なかったのは、指示どおりです。
最後の袋が別物になった失敗

いちばん大きな失敗は、最後の商品の場面でした。見本の絵として、商品の袋の正面や横の姿を渡してあったんです。それなのに、出てきた袋は形も文字も別の物でした。広告の最後に映る商品が違っていたら、その広告は使えません。これを見たときに思ったのは、これがAIの限界かな、ここからは自分で編集しないといけないのかなということでした。
豆の袋に変わった平たい袋
本物は、正方形に近い平たいドリップバッグの袋です。ところが動画の最後には、コーヒー豆を入れる、自立する大きな袋が立っていました。袋の絵柄も、見本とは別の形になっています。見本の絵を渡しても、AIはもっとよく見かける形のほうに寄っていった印象でした。
読めない文字に崩れたロゴ
袋に印刷された文字も崩れていました。英語のように見えて、読むと意味のない並びになっている文字です。動画を作るサービスの解説にも、生成された文字には頼らないほうがいい、と書かれています。実際に作ってみて、その意味がよく分かりました。
作り直した5秒も別の淹れ方
湯を注ぐ場面だけ、5秒で作り直してもみました。今度は、円すい形の紙のフィルターを金属の台に載せた、別の淹れ方の映像になりました。カップも背の高いマグに変わっていて、前の場面とつながりません。この5秒は、使わないことにしました。
- 最後の商品の袋の形
- 袋に印刷された文字
- 湯を注ぐ場面の液体
- 作り直した場面の淹れ方
作り直さず編集で直した判断

思いどおりにならなかったら、プロンプトを直してもう一度作る。AI動画では、それがいちばん素直なやり方だと思います。ただ、作り直した5秒が別の淹れ方になったのを見て、私は作り直しを続けるのをやめました。代わりに、崩れた所は、手元にある素材を使って編集で直すことにしたんです。袋の失敗を見て「自分で編集しないといけないのかな」と思ったのが、そのまま答えになりました。
袋は見本の絵に差し替え
最後の袋の場面は、13.2秒から後ろを、見本の絵の袋に差し替えました。見本の絵は、袋の文字もつづりも崩れていない状態で、先に作ってあったものです。0.5秒かけて前の場面から切り替わり、ゆっくり寄っていく動きを付けています。新しく動画を作っていないので、クレジットは使っていません。
食い違う場面は削ってスロー
コーヒー色の液体が注がれる場面は、まるごと削りました。空いた約2.4秒は、直前の湯を注ぐ場面を約2倍のスローにして埋めています。スローにすると、参考の広告でまねたかったゆっくりした見せ方にも近づきました。ここも、追加のクレジットはかかっていません。
文字はあとから縦書きで
画面の文字は、最初からAIに出させない約束にしていました。「スペシャルティコーヒー。」と「毎日の一杯を、ドリップバッグで。」の2つを、細い明朝体の縦書きで、編集であとから入れています。文字を入れる場所は、プロンプトで暗いまま空けておくよう頼んでありました。崩れようがない所に、崩れやすいものを任せた形です。

- 最後の袋を見本の絵に差し替え
- 食い違う場面を削ってスローで埋める
- 文字は編集で縦書きに
ナレーションとBGMで仕上げ

最初の企画では、ナレーションは入れない予定でした。参考の広告も、字幕の表示を見るかぎり、声は入っていないようでした。それでも最後に足したのは、ナレーションがあるとないとで、広告として見る人が見やすいと思ったからです。声とBGMが入って1本の広告になったときが、今回いちばんうれしかった瞬間でした。ここでは、声と曲をどう選んだかを書いておきます。
規約を読んで選んだ無料の声
声は、無料の読み上げソフトの VOICEVOX で作りました。VOICEVOX は声のキャラクターごとに使い方の決まりが違い、商用で使うには事前に確認が要る声もあります。私は、商用でも申請なしで使えると書かれている「冥鳴ひまり」という声を選びました。使うときは「VOICEVOX:冥鳴ひまり」という表記が必要です。
せりふは画面の文字と同じ
せりふは、画面の文字と同じ言葉にして、最後に商品名を足しました。ゆっくり読ませると最後の数秒に収まらなかったので、後半の2つだけ少し速くしています。声の間だけBGMを下げる作業も、Claude Code にやってもらいました。自動で下げる方法では声が負けてしまい、下げる秒数を決めて作り直しています。
雰囲気で選んだ15秒のBGM
BGMは Suno の有料プランで1回作り、2分44秒の曲ができました。Claude Code は音を聴けないので、音の大きさの変化から、合いそうな15秒を2か所出してもらっています。2つを聴き比べて、私は曲の雰囲気が合っていたほうに決めました。最後に選ぶのは、やっぱり自分の耳でした。
- 声のキャラクターごとの使い方の決まり
- 必要な表記の書き方
- 曲を作ったプランで公開に使えるか
- 声と曲の大きさの差
作る前に数える広告のカット

AI動画の商品広告を作ってみたい人が、最初に何をするといいか。動画を作るサービスに登録するより先に、私なら好きな15秒の広告を1本選んで、場面を数えるところから始めます。今回いちばん苦労したのが参考探しで、そこが決まったら残りが進んだからです。アカウントもお金も要りません。スマホで広告を1本見るだけで始められます。
好きな15秒の広告を1本
選ぶのは、自分が作りたい商品に近いものがいいと思います。私が選んだのは、飲み物の、人が出てこない広告でした。今回の1本は、はじめから人を出さない広告にすると決めていたからです。まずは1本で十分でした。
秒と映る物と文字のメモ
場面が切り替わるたびに、何秒か、何が映っているか、文字が出ているか、の3つをメモします。私は Claude Code に録画を渡して調べてもらいましたが、一時停止しながら手で数えても同じ表になります。私が数えた広告は、15秒で8つの場面でした。文字が2回しか出ないことも、数えてみて分かったことです。
まねる所は1つだけ
表ができたら、その広告のどこをまねるかを1つだけ決めます。私の場合は、液体の光らせ方とスローの見せ方でした。全部まねようとすると、似せた広告になってしまいます。1つに絞ると、AIに渡すプロンプトにも書きやすくなりました。
15秒の商品広告を作るための参考にしたいので、次のメモを表に整理してください。列は「何秒から何秒」「映っている物と動き」「画面の文字」の3つです。最後に、この広告の見せ方の特徴を3つ挙げてください。(ここに、広告を見ながら書いたメモを貼る)
よくある質問

最後に、作りながら自分でも気になったことをまとめておきます。先に断っておくと、ここで書くのは15秒の商品広告を1本作った範囲の話です。使ったサービスには、私が試していない機能もたくさんあります。料金はプランによって変わるので、クレジットの減り方だけを書いています。商品の名前も、この記事では出していません。
実在の商品を描いてもいいのか
私は、作る前に販売元へ、生成AIの映像で商品を描いてよいかを聞きました。よいという回答をもらってから、見本の絵を作っています。商品ごとに決まりは違うと思うので、聞かずに進めることはしませんでした。
商品を使っていなくても作れるのか
私はこの商品を、まだ飲んでいません。そのため、飲んでいるように見える場面や、「おいしい」と感じたような言葉は入れていません。見せたのは、液体と湯気と、販売元の写真で確かめた袋の見た目だけです。
動画の文字はAIに入れてもらえるのか
私の場合は、入れてもらいませんでした。袋に印刷された文字ですら崩れたので、画面の文字は最初から編集で入れています。文字の位置だけ、プロンプトで暗く空けておいてもらいました。
かかった時間とクレジットはどのくらいか
参考の広告探しから数えて、約4時間でした。Higgsfield のクレジットは955から865に減り、合計で90です。15秒の1回と、使わなかった5秒の1回の分になります。
編集ソフトは何を使ったのか
編集ソフトは使っていません。差し替え、スロー、文字、声、BGMは、すべて Claude Code に頼んで仕上げてもらいました。私は、できた動画を見て聴いて、使うかどうかを決める役でした。
完成した動画は見られるのか
動画はまだ公開していません。この記事には、完成した15秒から、商品の袋が映らない場面の静止画だけを載せています。公開するときに入れる声の表記などは、先に書き出してあります。
まとめ

AI動画の商品広告の作り方を、15秒の1本を作った記録として書いてきました。参考の広告を分解し、見本の絵を作り、15秒を1回で作ったところ、最後の商品の袋が別物になりました。そこで作り直すのをやめて、崩れた所を編集で直したのが、今回いちばん大きな判断です。ナレーションとBGMが入って1本になったときは、素直にうれしかったんですよね。
- 参考の広告をカットごとに分解
- 見本の絵を3枚用意
- 15秒を1回で生成
- 崩れた袋は見本の絵に差し替え
- 声とBGMは規約を確かめて追加
今回の1本で手元に残ったのは、AIに任せる所と自分で直す所の線です。液体や湯気のような質感はAIに任せられて、商品の形と文字は編集の側に持つ。次の1本では、この線を先に決めておけば、迷う所が減ると思っています。AI動画を始めた最初の1本のことは、練習の記事に書きました。
手を動かした経験を、小さな商品の形に変えていく手順をnoteにまとめています。ワークブックの形にしてあり、こちらから読めます。有料です。
4時間かけた15秒は、失敗した場面のほうが多い1本でした。それでも、直し方が分かった分だけ、次の1本はもっと早く作れると思っています。


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